副業と本業、私の過ごし方と時間の活かし方|副業はじめる塾
2026.2.28(土)
登壇者紹介
小林 将也氏(株式会社High Link・執行役員)

産業能率大学経営学部卒。2020年、株式会社ニューズピックスへ新卒入社。
マーケティングに従事し、プロダクトを主軸としたグロースやキャリアメディア『JobPicks』の立ち上げ、同社初の大型TVCMのプロジェクトリーダーを担当。その後、経営企画を兼務。
2023年1月より株式会社High Linkに入社。HRと経営企画、香りの定期便「カラリア」のプロダクトを統括し、その後事業責任者へ。
石原 陽氏(Cloudbase株式会社・VP of corporate)

大学を卒業後、人材広告会社への勤務を経て起業。事業売却後はコンサルティングファームにて組織変革に関わるプロジェクトへ従事。
その後、メガベンチャーを経て、株式会社カケハシでHR・営業・CS組織、社長室の立ち上げ・マネジメントを担う。
2023年10月にCloudbaseへジョイン。HRとして、採用や組織開発などを行った後、現在はVP of corporateとして体制整備推進、直近は事業サイドの施策推進など幅広く奔走中。
高橋 綾香氏(株式会社YOUTRUST・執行役員)

2014年に新卒で株式会社サイバーエージェントに入社。
クライアントに広告の企画・提案をするアカウントプランナーとして約9年間活動。その間に、営業局長として組織立ち上げ、最優秀ベストプレイヤー受賞などを経験。
2023年4月、株式会社YOUTRUSTにマーケターとして参画。2024年7月からYOUTRUSTのユーザー向けマーケティング部部長を経て2025年10月から執行役員に就任。
登壇者のキャリアと副業のきっかけ
小林氏のキャリアと副業のきっかけ
高橋: 小林さんはNewsPicksでマーケティングや新規事業に取り組まれ、その後経営企画に移られたタイミングでハイリンクの副業を始められて、今はハイリンクにいらっしゃるとお聞きしています。そもそもハイリンクで副業を始めようと思われた背景や理由を教えていただけますか。
小林: 実はYOUTRUSTでスカウトをいただいたことがきっかけなんです。背景としては、NewsPicks入社から3年ほど経ったタイミングで本業でのバリューの出し方がわかってきていた一方、他の会社ではどんな仕事をしているのだろうという興味も出てきていました。いくつか副業を探していたところ、ちょうどハイリンクから声をかけていただいた形です。ハイリンクとNewsPicksは同じ2Cサブスクリプションビジネスという共通点があり、NewsPicksで当たり前にできていることがカラリアではまだできていない部分があると感じました。自分の経験を還元できるのではないかと担当者と話しながら感じ、時間を割いてコミットしようと思ったのが最初のきっかけです。
高橋: NewsPicksでの経験をハイリンクに還元することで自分のバリューを高めていこうという背景だったんですね。ちなみに、NewsPicksでマーケティング・新規事業・経営企画と多岐にわたって経験されていますが、経営企画に移られたのはご自身から手を挙げたのでしょうか、それとも声をかけられた形でしょうか。
小林: 半々ぐらいです。マーケや新規事業とは別の新しい仕事がしたいという気持ちと、将来経営者になりたいという意志があり、それを叶えられるポジションについて上長に相談していました。その結果、経営企画のポジションを作ってもらい、声をかけていただいた形です。自分が手を挙げつつ、上長がポジションを作ってくれたという、両方がうまく噛み合ったと思っています。
高橋: NewsPicksでの経営企画のご経験がハイリンクに活きているというお話でしたが、実際にハイリンクに入ってみてどう感じましたか。
小林: 率直に言うと、「スタートアップってカオスだな、整っていないな」と強く感じました。当時ハイリンクはシリーズBの調達直後のフェーズだったのですが、私はシリーズBということでグロースモデルが確立されているものだと思って入りました。ところが、経営シミュレーションがきちんとできていなかったり、経営管理が十分でなかったりと、伸びている部分やうまくハマっている部分への敬意はあるものの、ここをもっと上手くやればレバレッジが効くのにと感じる部分も多くありました。
高橋: そのカオスな環境に副業として入り、その後本業として転職を決めた背景はどういった理由からでしょうか。
小林: 流れとしては、先に退職することを決めてから転職先を探そうという形でした。ハイリンクもその中の一社として見ていたのですが、色々と比較検討した結果、やはりハイリンクが一番解像度が高かったというのが大きな理由です。事業課題や経営課題に対して自分が貢献できるイメージが具体的に持てましたし、組織にちゃんとフィットできると感じました。カルチャーやバリューへの解像度も高くなっており、「この人たちと一緒に戦いたい」と強く思えたので、フルコミットでジョインすることを決めました。
高橋: 副業として入ることで会社の解像度や自分のバリューの出し方のイメージが持てて、転職につながったということですね。
小林: ハイリンクで副業をしていなかったら入社していなかっただろうなと思います。
石原氏のキャリアと副業のきっかけ
高橋: 石原さんはかなり独特なキャリアをお持ちで、大企業から小さな会社、自分での起業まで幅広く経験されています。スタートアップに飛び込もうと思った理由を教えていただけますか。
石原: 起業した経緯にも通じるのですが、私はもともと新しい価値が生み出される場所に身を置くことが20代の頃からとても好きです。メガベンチャーで多くのことを学ばせていただいたことへの感謝はありますが、キャリアを振り返った時に、事業が立ち上がるところ、つまり0→1を作ってそれを大きくしていくフェーズに身を置いている時の方が自分のパフォーマンスを発揮しやすいと感じていました。そのためよりスタートアップにディープダイブしていったというのが背景です。
高橋: カケハシさんを選ばれた背景はどういったものでしたか。
石原: 自分が携わる事業領域にインパクトを与えて、より良い形で未来にバトンを渡せるかどうかという軸があります。カケハシは薬局向けのバーティカルSaaSを提供している会社で、医療のタッチポイントの最終地点である薬局をより良い形に変えていくことが、将来の子どもたちや自分自身が高齢になった時の恩恵につながると思いました。端的に言うと、そのミッションと思想に共感してジョインした形です。
高橋: 本業でフルコミットしながら、スタートアップのHR領域で副業もされていたとお聞きしました。その背景やモチベーションを教えていただけますか。
石原: まず大前提として、本業に影響を及ぼしてはいけないというのが私のポリシーでした。一方で、会社を牽引する役割を担う中でコーポレート・HRの仕事が徐々に薄くなっていく状況があり、事業を伸ばすことには100%コミットしつつも、自分の意志(Will)を満たしたいという欲もありました。フルコミットを2社掛け持つのは難しいので、限られた時間でも何か関与できる方法はないかと探していたところ、YOUTRUSTでお声がけいただいたものや、X(旧Twitter)で声をかけていただいたもの、VCさん経由でのご紹介などがありました。
高橋: そこからクラウドベースとのご縁はどういった形で生まれたのでしょうか。
石原: これも予定調和ではなく、YOUTRUSTでお声がけいただいたことがきっかけです。
パネルディスカッション
テーマ1:日常のリアル 時間とエネルギーの使い方
高橋: お二人とも執行役員・コーポレート部門責任者として活躍される中で、本業と副業の時間をどのように使い分けていたのかをお聞きしたいと思います。小林さんからお話しいただけますか。
小林: これは非常に難しいテーマで、自分でもいくつか試しながら見つけていきました。結論として、時間も頭もしっかり分けることが何より大事だと感じています。
本業には120%でコミットしなければならない責任があります。平日のこの時間はこのことだけを考える、その時間が終わったら今度は副業に120%使うという切り替えを徹底することが一番重要でした。
具体的には、昼間は本業に集中し、夕食を食べてから副業に取り組むというリズムを作っていました。また、場所を変えることも有効で、本業で働いた後にカフェに移動して副業に取り組むなど、切り替えのための工夫を続けていました。
高橋: 食事・入浴・場所の移動といった行動をスイッチにして、切り替えをうまく使われていたということですね。石原さんはエネルギーの使い方という観点でいかがでしたか。
石原: 小林さんもおっしゃっていたように、副業であっても仕事をいただいている以上、しっかりパフォーマンスを出すことは前提です。その上で、日によってグラデーションがあるのが正直なところです。
仕事はマラソンだと思っていて、毎日全力ダッシュを続けるのは難しく、息切れしないように走り続けることの方が重要だと感じています。副業も同様で、求められるアウトプットと期間を事前に丁寧にすり合わせた上で、そこから逆算してリソースを配分していました。
私は朝型の生活リズムなので、朝の6時から8時半は副業のことだけを考える、夕方5時以降は副業に集中するといった形で、集中する時間帯を決めてそこに一気にエネルギーを注ぐようにしていました。
テーマ2:副業での成長・学びのリアル
高橋: 副業で学んだことを本業に活かしたり、価値観が変わったりといった変化があれば、ぜひお聞きしたいと思います。石原さんからお願いします。
石原: 2つあります。1つ目は、ロールによって事業の全体像が見えるようになるという点です。私の場合は本業と異なる領域の副業が多かったため、たとえば副業でHRの仕組みを作っている経験が本業でHRの担当者とコミュニケーションする際に役立ち、双方にとってウィンウィンな施策や仕組みを考えやすくなりました。逆の方向でも同様のことが起きていました。
2つ目は、他社の取り組みを客観的に見ることで、自社への新たな示唆が生まれるという点です。副業でやっていた施策や取り組みが良いと思ったものを本業でも提案したり、その逆もあったりと、相互に良い影響がありました。
高橋: 小林さんは本業と副業でやっていることが比較的近く、規模感が違うという形での働き方でしたが、そういったケースならではの学びはどういったところにありましたか。
小林: NewsPicksでうまくいっていたことをどう再現性を持ってハイリンクでも活かすか、というアナロジーの効かせ方が大きな学びでした。どう抽象化してエッセンスを持っていくか、という視点は非常に勉強になりました。
具体的なところでは、1on1の進め方、定例会議の回し方、Notionの使い方など、実務的な部分での気づきが意外と多かったです。良いと思ったものは双方向に持ち込むということが自然にできるようになりました。
加えて、マインドや価値観の面でも大きな学びがありました。カルチャーの異なる2つの会社でそれぞれ働くことで、多様な人々と柔軟に協働する力が鍛えられたと感じています。
テーマ3:本業への還元
高橋: 副業をやったことで本業で成果が出たという具体的なエピソードをお聞きできますか。小林さんからお願いします。
小林: 一番具体的なところで言うと、マーケ施策のアイデアのストックが大きく増えたことです。ハイリンク・カラリアはデジタルマーケティングが非常に強く、PDCAを回し続けてきた施策のアセットが豊富にある会社でした。一方のNewsPicksでは、まだ実践できていない施策や十分に検討されていない領域の実践知が蓄積されていました。ハイリンクでの経験をもとに「NewsPicksでこういう施策を試してみると良いかもしれない」「この運用を始めると効果的かもしれない」という形で、新しい施策の立案や獲得モデルの構築に貢献できたと感じています。
高橋: 石原さんはスタートアップの別会社でHR領域を担当していて、本業に活きたことはありましたか。
石原: 例えば、最初にご支援させていただいたスタートアップでは、採用PRのお手伝いをしていたのですが、そこは圧倒的な物量で取り組む会社でした。クリエイティブやメッセージングのこだわりも重要ですが、まず認知を獲らなければ良いコンテンツがあっても届かないということを、実際の成果を見ながら確信に変えることができました。それを本業にも活かし、まずは発信量を増やして認知を獲ることを自信を持って提案できるようになりました。
また、マインドセットの面では、採用における経営陣のコミットメントが成果に直結するということを副業を通じて強く感じました。本業で採用の取り組みが不十分だと感じた際に、CEOに積極的な関与を求めて動いてもらう、という働きかけができるようになったことも一つの成果です。
テーマ4:副業を続けるためのマイルール
高橋: やらないことを決めている、タスク管理・スケジュール管理の工夫など、副業を続けるためのマイルールをお聞きしたいと思います。石原さんいかがですか。
石原: 繰り返しになりますが、最大のマイルールは「本業に影響を及ぼさない」ということです。報酬をいただいてギブアンドテイクの関係がある以上、そこは絶対に崩してはならないと考えていました。
副業を行う時間帯は明確に決めていました。私の場合は朝5時半から9時の間と、夜7時以降です。また、副業として求められるアウトプットについては、依頼してくださる企業やチームの方々と最初の段階で徹底的にすり合わせを行いました。
期待値がズレてしまうと、どんなに頑張っても「もっとやって欲しい」「それを求めているわけではない」というミスマッチが生じてしまいます。それがお互いにとって最も不幸な状況なので、入り口での期待値調整は必ず行うようにしていました。
高橋: 小林さんのマイルールはいかがですか。
小林: 石原さんがおっしゃった入り口での期待値調整はとても重要だと共感します。その上で私が決めていたことの一つは、「副業において緊急性の高い仕事は受けない」ということです。
副業で緊急対応が求められると本業のペースが崩れることが予想できたため、緊急性は低くても重要性の高い仕事に絞って最初の合意形成をしたことが、うまく両立できた大きなポイントだったと思っています。
これから副業を始める方へのメッセージ
高橋: 最後に、これから副業を始めようという方へ一言ずつメッセージをいただけますか。小林さんからお願いします。
小林: 一つメッセージをお伝えするとすれば、「想像している10倍大変で、10倍学びがある」ということです。本気でコミットしなければならないことを2つ持つのは本当に大変ですが、それをマネジメントできるようになること自体が自分の成長につながります。
そして実際にやってみると「これは本当に学びになる」と感じることが想像以上に多いはずです。まず最初の一歩を踏み出してみることが、大きな学びと成長のきっかけになると思いますので、ぜひ応援しています。
石原: 小林さんが大体言ってくださった気がしますが、まず第一歩を踏み出す、その0.5歩目としてどんな副業があるか見てみることから始めてみてください。
皆さんのご経験の中で必ず引っかかる案件があるはずです。そこをノックしてみるだけでも十分な第一歩になります。YOUTRUSTには副業の募集がたくさん掲載されていますので、まずはそこを見てみることから始めてみてください。
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