副業の経費はどこまで計上できる?費用例と確定申告の注意点

2025.12.23(火)

副業の経費はどこまで計上できる?費用例と確定申告の注意点
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副業を始めたばかりのビジネスパーソンにとって、「経費」は少し複雑に感じるかもしれません。

しかし、経費を正しく理解し計上することは、納める税金を抑えることにつながる大切なポイントです。

この記事では、副業の経費の基本から、ビジネスパーソンが計上しやすい費用の具体例、そして確定申告の注意点まで、わかりやすく解説していきます。

副業で得た収入を最大限に活かすためにも、経費の知識を身につけていきましょう。

そもそも副業の「経費」とは?

そもそも「経費」とは、副業で収入を得るために直接かかった費用のことを指します。

例えば、Webライターの仕事で使うパソコンの購入費や、クライアントとの打ち合わせ場所へ向かうための交通費などがこれにあたります。

税金の計算は「収入」からこの「経費」を差し引いた「所得」を基に行われます。

つまり、経費を正しく計上することで課税対象となる所得を抑え、結果的に節税につながるという仕組みです。

副業の所得の種類によっては経費が認められない場合もあるため、次の項目で詳しく見ていきましょう。

経費にできるもの・できないものの判断基準

経費にできるかどうかを判断する最もシンプルな基準は、「その支出が副業の収入を得るために直接必要だったか」という点です。

例えば、クライアントとの打ち合わせで利用したカフェのコーヒー代は経費として認められる可能性がありますが、友人とのランチ代はプライベートな支出と見なされるため経費にはなりません。

また、スーツのように仕事とプライベートの両方で使える衣類は、原則として経費計上が難しいとされています。

このように、事業との関連性を客観的に説明できるかどうかが重要なポイントになります。事業との直接関連性があると言えることを、領収書やメモなどで第三者に説明できる状態にしておきましょう。

もし判断に迷う場合は、税務署や税理士に相談することも一つの方法です。

経費計上が可能な所得の種類:事業所得と雑所得

副業で得た収入は、その性質によっていくつかの所得に分類されますが、経費計上が可能なものに「事業所得」と「雑所得」があります。

多くの副業は、実態から鑑み「雑所得」に分類されることが多い一方、継続性・規模・記帳状況などから「事業所得」と評価される場合もあります。

事業所得で申告すると、赤字を給与所得と相殺できる「損益通算」や、大きな節税効果のある「青色申告」が利用できるなどのメリットがあります。

どちらに該当するかは活動の実態に基づいて総合的に判断されるため、自身の副業がどちらに近いか確認してみましょう。

【ビジネスパーソン向け】副業で経費にできる費用一覧

ビジネスパーソンが副業を行う際には、様々な費用を経費として計上できます。

例えば、プログラミングやデザインに使うパソコンやソフトウェアの購入費は代表的な経費です。

また、スキルアップのために購入した技術書や、セミナーへの参加費も経費に含めることができます。

その他にも、クライアントとの打ち合わせにかかる交通費や飲食代、自宅で作業する場合の家賃や通信費の一部も計上が可能です。

どのような支出が経費になるかを把握しておくことで、適切に節税を行いましょう。

自宅の作業環境を整える費用(家賃、水道光熱費、通信費)

ビジネスパーソンの副業は、自宅で行うケースが多いでしょう。

その場合、自宅の家賃や水道光熱費、インターネットなどの通信費も、仕事で使った分を経費として計上できます。

ただし、全額ではなく、プライベート利用分と事業利用分を分ける「家事按分」という計算が必要です。

例えば家賃であれば、仕事部屋が家全体の面積の20%を占め、それが客観的にも明確に区別することができる場合、家賃の20%を経費にできます。

通信費や電気代は、1日のうち副業に費やした時間の割合で計算すると説明がつきやすいのではないでしょうか。

按分比率は法律で明確に決まっているわけではありませんが、誰が見ても納得できる客観的で合理的な基準で計算し、説明できるようにしておくことが大切です。

スキルアップのための自己投資費用(書籍代、セミナー参加費)

副業で求められるスキルを向上させるための自己投資も、経費として計上できます。

例えば、プログラミングの技術書やマーケティングの専門書などを購入した費用は、「新聞図書費」として経費になります。

また、業務に関連するスキルを学ぶためのセミナーや勉強会への参加費も「研修費」として計上可能です。

その際、会場までの交通費も経費に含めることができます。

ただし、あくまで副業に直接必要なスキルアップであることが条件です。

個人的な趣味の範囲と判断されると経費として認められないため注意しましょう。

業務に必要なツールや備品(PC、ソフトウェア、消耗品)

副業で使うパソコンや、業務で使用するソフトウェアの購入費用も経費として計上できます。

ただし、その金額によって会計上の処理方法が異なるため注意が必要です。

購入金額が10万円未満のものは「消耗品費」として、その年に一括で経費にできます。

一方で、10万円以上のものは原則として「固定資産」となり、それぞれの法定耐用年数で分割して経費にする「減価償却」という手続きが必要です。

ただし、青色申告を行っている場合は30万円未満まで一括で経費にできる特例もあるため、高額な機材を購入する際は検討してみると良いでしょう(一定の要件や上限がありますのでご留意ください)。

打ち合わせや情報収集のための費用(飲食代、交通費)

副業のクライアントとの打ち合わせや、業務に必要な情報収集にかかった費用も経費として計上できます。

例えば、打ち合わせ場所への移動で利用した電車やバスの代金は「旅費交通費」として経費になります。

また、カフェでの打ち合わせにかかったコーヒー代や、取引先との会食費用は「会議費」や「接待交際費」として計上可能です。

ただし、経費として認められるのは事業に直接関連する飲食のみです。

友人との食事などプライベートな飲食代は対象外なので注意しましょう。

領収書には、誰とどのような目的で利用したのかをメモしておくと、後々の整理や説明に役立ちます。

副業の経費で間違いやすい「家事按分」の計算方法

自宅で副業をする際に発生する家賃や光熱費は、プライベートの支出と混ざっているため、経費計上には「家事按分」という考え方が必要です。

これは、支出全体の中から事業で使った割合を算出し、その部分だけを経費として計上する計算方法です。

家事按分の計算に法律で定められた決まりはありませんが、客観的に見て誰もが納得できる合理的な基準を用いる必要があります。

例えば、家賃は仕事部屋の面積割合で、電気代や通信費は副業に取り組んだ時間の割合で計算するのが一般的です。

なぜその割合で計算したのかを説明できるよう、計算の根拠となる資料はきちんと保管しておきましょう。

面積や時間で按分する具体例

家事按分の計算は、費用の種類に応じて「面積」や「時間」といった客観的な基準を用いて行います。

ここでは、具体的な計算例を見ていきましょう。

家賃を「面積」で按分する場合

自宅全体の面積が60㎡で、そのうち10㎡の部屋を仕事専用で使っているとします。

この場合、事業での使用割合は約16%です。月の家賃が12万円であれば、12万円 × 16% = 19,200円を経費として計上できます。

電気代を「時間」で按分する場合

1日24時間のうち、平均して8時間を副業にあてているとします。

この時、事業での使用割合は約33%となりますので、月の電気代が15,000円であれば15,000円 × 33% = 4,950円が経費として計上可能です。

上の例は簡便的に毎日副業をしている前提でお伝えしていますが、休日や副業をしていない日の分は考慮して計算してください。

このように、誰が見ても納得できる合理的な根拠に基づいて割合を算出することが重要です。

経費と確定申告の基本

副業で得た収入から経費を差し引いた「所得」が年間で20万円を超えた場合、原則として確定申告が必要です。

経費を漏れなく計上することで、この課税対象となる所得金額を抑えることができます。

つまり、経費の管理は確定申告と密接に関わっているのです。

副業が「給与所得」でない場合、継続性及び事業的規模の観点から「雑所得」又は「事業所得」に分類され、「事業所得」となる場合の確定申告には、簡易な白色申告と、最大65万円の特別控除などが受けられる青色申告の2種類があります。

副業を事業として本格的に行い、節税効果を高めたい場合は、青色申告を選択するのがおすすめです。

次の項目からは、確定申告に関する具体的なポイントを解説していきます。

確定申告が必要な「年間所得20万円」の基準とは

確定申告が必要になるかどうかのボーダーラインとしてよく知られているのが「年間所得20万円」という基準です。

ここで重要なのは、「収入」ではなく「所得」で判断するという点です。

「所得」とは、副業で得た売上などの総額である「収入」から、かかった「経費」を差し引いた金額、つまり利益の部分を指します。

例えば、年間の副業収入が50万円あっても、経費が35万円かかっていれば所得は15万円となり、原則として所得税の確定申告は不要です。

ただし、これはあくまで所得税の話であり、住民税の申告は所得額にかかわらず必要になるため注意しましょう。

確定申告が不要でも住民税の申告は必要

副業の年間所得が20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則として不要です。

しかし、このルールはあくまで所得税に関するもので、住民税の申告は別途必要になる点に注意が必要です。

副業で少しでも所得がある場合は、お住まいの市区町村の役所で住民税の申告を行わなければなりません。

もし確定申告を行っていれば、その内容が自治体にも共有されるため、個別に住民税の申告をする必要はありません。

住民税の申告を忘れてしまうと、延滞金が発生する可能性もあるため、忘れずに行いましょう。

節税効果が高い「青色申告」

「青色申告」とは、日々の取引を所定の帳簿に記録し、その記録に基づいて所得を計算・申告する制度です。

白色申告と比べて手間はかかりますが、税制上の様々な優遇措置を受けられるため、節税効果が非常に高いのが特徴です。

最大のメリットは、所得金額から最大65万円を差し引ける「青色申告特別控除」です。

その他にも、副業で赤字が出た場合に翌年以降の黒字と相殺できる「純損失の繰越し」や、家族への給与を経費にできる制度など、多くの特典があります。

副業の所得が「事業所得」として認められる場合は、青色申告を検討する価値が大いにあるでしょう。

副業の経費計上で押さえておきたい注意点

副業の経費を正しく計上するためには、いくつか押さえておきたい注意点があります。

まず最も基本的なことは、経費の支払いを証明する領収書やレシートを必ず保管しておくことです。

これらは確定申告の際に経費の証拠となり、法律で定められた期間(白色申告で5年、青色申告で7年)の保存が義務付けられています。

また、プライベートの支出と副業の経費が混同しないよう、副業専用のクレジットカードを作成するのもおすすめです。

利用明細を経費の記録として活用でき、確定申告時の作業負担を大幅に軽減できます。

領収書やレシートは必ず保管する

副業で使った費用を経費として計上するためには、その支払いを証明する領収書やレシートが不可欠です。

税務調査などで支出の証明を求められた際に、これらの書類がないと経費として認められない可能性があります。

法律により、白色申告の場合は5年間、青色申告の場合は原則7年間の保管が義務付けられています。

ちなみに、但し書きが「お品代」となっている領収書よりも、購入品目が具体的に記載されているレシートの方が、取引内容の証明として有効な場合があります。

月別や項目別にファイリングするなど、自分に合った方法で整理し、定められた期間は必ず保管するようにしましょう。

クレジットカード払いの経費計上タイミング

クレジットカードで経費を支払った場合、いつの経費として計上すれば良いか迷う方も多いかもしれません。

会計の基本的な考え方である「発生主義」では、実際に銀行口座から引き落とされた日ではなく、クレジットカードで決済した日が経費の計上日となります。

例えば、12月にクレジットカードで購入した備品の引き落としが翌年の1月だったとしても、その経費は12月分として計上します。

これにより、年をまたぐ支払いでもその年の所得を正しく計算でき、適切な節税につながります。

確定申告の際は、カードの利用明細を確認し、原則として口座引落日ではなく、カード決済により支払義務が確定した日(決済日)を基準に経費を計上するようにしましょう。

経費を理解して、副業をキャリアビルディングにつなげよう

副業における経費の知識は、単なる節税テクニックにとどまりません。

経費を正しく管理し、確定申告を行うことで税負担を最適化すれば、手元に残る資金を増やすことができます。

その資金を新たな書籍の購入やセミナー参加といった自己投資に充てることで、さらなるスキルアップを目指せます。

副業を通じて得られる経験や人脈、そして経費管理の知識は、すべてがあなたのキャリアビルディングにつながる貴重な資産です。

本記事で解説した内容を参考に、経費への理解を深め、ご自身のキャリアの可能性を広げていきましょう。

日本のキャリアSNS YOUTRUSTでは、200種類以上の職種からあなたにあった副業の募集を探すことができます。

自身のスキルアップ・経験蓄積のために、これから副業を始めたいという方はぜひYOUTRUSTをご活用ください。

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キャリアビルディングに意欲的なビジネスパーソン向けに、副業をテーマに情報を発信しています。副業未経験の方でも、自分に合った副業を見つけることができ、副業に一歩踏み出せる情報を発信しています。

税理士・高橋 通彰(たかはし みちあき)

高橋通彰税理士事務所

1999年中央大学法学部法律学科卒業後、アーサーアンダーセン税務事務所、税理士法人東京シティ税理士事務所、KPMG税理士法人を経て、中小企業・個人事業主の良きビジネスパートナーとなるべく2012年独立。2003年税理士登録。主に不動産税務、国際税務、企業再編税制、組織体税制等に従事。セミナー講師、執筆活動、税務部門の立ち上げ支援など幅広く活躍。個人事業主、ベンチャー企業、大企業と顧問先多数
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