キャリアを拓く副業スタート完全ガイド|副業はじめる塾
2026.2.28(土)
本セッションは「見つける編」「始める編」「キャリア編」の3部構成でお届けします。
細かな実務については後続のセッションに譲り、ここでは副業の大まかな流れと考え方を中心にお話しします。
登壇者紹介
金子 彰洋氏(株式会社YOUTRUST・取締役副社長)

早稲田大学法学部卒業後、2012年株式会社サイバーエージェントに新卒入社し広告事業本部配属。
クリエイティブとしてキャリアをスタートし、データ・テクノロジー・メディアの専門職を経たのち、次世代ブランド戦略室の立ち上げに参画。戦略プランニング・メディアプランニング・マーケティングリサーチの部門を立ち上げ、戦略局長やマーケティング局長、DX事業責任者等を歴任。
2021年10月より株式会社YOUTRUSTに参画。2023年10月より取締役に就任し、事業全体の責任者として企業成長を目指す。
福島 広大氏(フリー株式会社・執行役員)

2011年電通レイザーフィッシュ(現 電通デジタル)入社。WEBディレクターから戦略プランナーまで幅広く経験。2017年よりLINE(現 LINEヤフー)にて、LINEモバイル・LINE MUSICのマーケティング&PR責任者、新規プロダクト開発などを担当。
2021年より副業としてfreeeに参画し翌年入社。2025年より現職として、個人事業主〜小規模法人領域のマーケティング&プロダクト組織を統括。
見つける編:副業を探す4つのステップ
金子: まずはYOUTRUSTから「見つける編」についてお話しします。副業を見つけるステップは大きく4つあります。
副業をなんとなくやりたいと思っている方は多いと思いますが、まず「なぜ副業をするのか」という目的を明確にすることが重要です。収入を得ることは当然の動機ですが、副業は一定の時間を要するものです。楽しくなければ続けられませんし、自分の成長につながっている実感がなければ前に進みにくいものです。副業が自分にとってどのような役割を果たすのかを、最初に整理しておくことをお勧めします。
その上で、副業は本業以上に具体的なスキルが見えているほど始めやすくなります。「自分に何ができるのか」を細かく分解し、実際にリストアップしてみることが大切です。
3つ目は、そのスキルをもとにプロフィールを更新することです。YOUTRUSTには「できること」を記入する欄があり、「広告運用ができます」「営業ができます」「経理ができます」といった形で具体的に記載しておくと、そのスキルを必要とする企業からスカウトが届くようになります。
4つ目は、スカウトを待つだけでなく自ら案件を探しに行くことです。YOUTRUSTアプリの下部タブ左から2番目にある「募集」から副業案件をフィルタリングして探すことができます。
YOUTRUSTでの具体的な探し方
金子: 副業の見つけ方は大きく2パターンあります。「自ら探しに行く」か、「プロフィールを充実させてスカウトを待つ」かです。
案件を見つけても「条件が本当に合うのか」「稼働時間は記載通りか」など不安に感じることは多いと思います。YOUTRUSTでは「話を聴きたい」ボタンを押すことで、強制的な応募ではなく、まずカジュアルに先方と話せる仕組みになっています。気になる案件に対してどんどん「話を聴きたい」を押して話を聞き、自分のスキルや生活スタイルに合うものを選んでいくのがお勧めです。
また、YOUTRUSTでは副業意欲を4段階(「積極的に検討している」「検討している」「良い案件があれば」「全くやらない」)で設定できます。本当に副業を求めている方は「積極的に検討中」にしておくと、公式リクルーターとして登録している企業の担当者からスカウトが届きます。そこからもカジュアルに話を聞き、条件・スキル・時間の使い方が合えば副業を開始する流れになります。
福島: お話を聞いていて、「話を聴きたい」という形でカジュアルに話を聞けるのはとても良い仕組みだと感じました。副業でいろいろな仕事をしていた経験から思うのですが、気軽に話してみると、自分が日常的に当たり前にやっていることを相手にすごく感謝していただけることがあります。「そんなことまで助けていただけるんですか」という反応をいただくケースも多く、まずは話を聞くというスタンスはとても大切だと思います。
金子: 自分では当たり前だと思っていることが、相手にとっては当たり前ではないということは本当によくあります。たとえば「パワーポイントの資料をきれいに作れない」「Excelの関数がわからない」といったレベルの相談も実際には多くあります。副業の話を聞いたり案件を見たりすることで、自分の当たり前の価値に気づくことがあります。
福島: そういった形でカジュアルに話してみると意外と自分が役に立てる、という体験ができるのはとても良いことだと思います。どんどん話を聞きに行っていただけると良いのではないでしょうか。
始める編:副業開始までの具体的な流れ
金子: 副業が見つかったら、次はどうやって始めていくかについて、freeeさんからご説明いただきます。
福島: 事前準備から副業の開始までを4ステップで整理しました。
まず「副業の形態」として、個人事業主か法人かを選択します。いきなり会社を設立するよりも、まずは個人事業主として始めるケースが大半です。
次に「届け出の提出」として、開業届と青色申告承認申請書のセットを提出することをfreeeでは推奨しています。名前だけ見ると難しそうに感じますが、内容自体はそれほど複雑ではありません。青色申告の承認を受けておくと、事業運営上の税制メリットがあるため、開業届と合わせて提出しておくのが得策です。
金子: なんか嫌だなと思ってしまいがちな名前ですよね。
福島: そうなんです。ただそれほど複雑なものではなく、freeeが提供する「freee開業」(完全無料)を使えば、必要事項を入力するだけで早ければ5分程度で届け出書の作成から提出まで完了します。気軽に触っていただけると思います。
金子: これは出すだけなら今日出してしまってもいいですよね?
福島: お仕事が決まっていれば全然大丈夫です。なお、業種によっては許認可が必要になる場合もあります。ITフリーランスの領域ではあまり必要ないケースが多いですが、配送業(Uber Eatsなど)や古物商などで副業する場合は必要になることがあります。こちらもfreeeのサービス内で対応しています。
福島: 続いて3つ目として「会計管理」についてです。副業が始まると売上が発生し、経費も生じます。見積書・請求書の発行から経費の管理、そして最終的な確定申告まで、freee会計を使って収支を日々記帳していただくことをお勧めします。確定申告は毎年2月16日頃から約1ヶ月間、1年間の所得に対する税金を国に報告・納税する手続きです。会社員の方にはなじみが薄いかもしれませんが、副業を始めたら必ず発生してきます。日々の記帳を続けることで、確定申告もスムーズに終わります。
金子: 私もfreeeを利用していましたが、見積書・契約書・請求書はすべてひな型が用意されているので、一度選んでしまえばあとは数字や宛先を変えるだけで完結します。なんか大変そうだと思ってしまいがちですが、正直ひな型通りにポチポチ押していけば完了するので、心配はいりません。
福島: ありがとうございます。実際に使っていただいているので肌感があるかと思いますが、まさにその通りです。一つ一つの作業の負荷は本当に大きくありません。一度作ってしまえば次からはそれをベースに少し修正するだけのサイクルになりますし、慣れてしまえば全く問題ありません。また、個人事業主として副業する場合、契約書は基本的に企業側が用意してくれます。内容をざっと確認して問題がなければ押印して返送するだけなので、自分で弁護士と契約書を作るようなケースはほとんどありません。freeeサインという契約管理サービスでは、AIが契約内容をチェックしてくれる機能もあり、不安な方でも安心して確認できます。freeeを使っていただければ、一人で始める方でもすべてまるっと完結できます。
金子: 契約書の内容確認も、なんか難しそうに感じるかもしれませんが、甲が乙がという書き方で大体企業さんが出してくれますので、不利な条件がないかざっと見て確認して、押印して戻すだけのレベルです。そのあたりはご安心いただければと思います。
福島: 副業開始後は、1月1日から12月31日の1年間を単位として収支をまとめていく必要があります。見積書・契約書・請求書の発行、経費の管理、入金の確認といったバックオフィス業務をfreee会計で1年間行っていただき、最終的に確定申告で納税まで行うというのが、副業開始後の1年間の流れです。
質疑応答
開業届・青色申告は仕事が決まった後に出すべきですか?
金子: 「開業届・青色申告は仕事が決まった後に出すべきでしょうか。副業サイトへの登録や面談など、始まるまでに時間がかかると思いますが」というご質問です。仕事が決まってからなのか、それとも先に準備しておいた方がいいのか、どちらでしょうか。
福島: どちらのケースでも問題ありません。もう案件が見えてきているのであれば、先に作成していただいて全然大丈夫です。開業届を出すことで屋号を決められたり、事業用の銀行口座を作るときに必要になったりもするので、事業をスピーディーに進める意味でも、見えてきているのであれば早めに出しておくのが良いと思います。
金子: どちらでも大丈夫です、というのが正直なところです。開業届・青色申告はそれほど時間のかかる手続きではないので、案件が決まってから作成しても十分間に合いますし、先に作っておいてもまったく問題ありません。実態として、開業届を出さずに始めている方も多いのが現状です。ただ、しっかり副業に取り組むのであれば提出しておいた方が口座開設など何かと便利ですので、それぞれの状況に合わせて判断いただければと思います。
学生・未経験でもできる副業はありますか?
金子: 「学生・未経験でもできる副業はありますか。そのためにできる準備などはありますか」というご質問です。学生が個人事業主として開業して仕事を受けるケースは実際にありますか?
福島: あります。アルバイトとして雇用される形ではなく、個人事業主として自分で開業して仕事を受ける方も全然いらっしゃいます。たとえばUber Eatsの配達のようなギグワークでも、個人事業主として開業届を出して事業所得として稼いでいる学生の方は増えていると思います。
金子: YOUTRUSTにも学生向けの案件は多くあります。インターンやアルバイトという形であれば、わざわざ開業届を出す必要はないと思いますので、まずは始めてみて、企業側から「個人事業主として契約しますか?」と聞かれたタイミングで開業届を検討するのが良いと思います。
平日日中は難しいのですが、土日・朝夜のみで参画できる案件はありますか?
金子: 「ITエンジニアで、参画できるのが平日の朝夜と土日のみなのですが、そういった案件はどのプラットフォームでも少ない印象があります。探す上でのコツはありますか」というご質問です。
実態としては、そういった案件はかなり多くあります。エンジニアの副業は平日の朝夜か土日稼働がメインになるケースが一般的です。弊社のエンジニアでも副業しているメンバーは多いですし、前職でも同様でした。募集要件に「平日日中必須」と明記されていなければ、まずカジュアルに話を聞きに行って稼働時間を相談してみるのが良いと思います。平日に正社員エンジニアが動いて、土日にこれをお願いしますというような分担の形は意外とあります。ただ、数名規模のスタートアップはすぐそばにいてほしいというケースが多いので、50〜100名規模の企業で探すと、柔軟な働き方に対応した案件が見つかりやすい印象です。
将来の独立を見越して、開業届・青色申告の内容を決める必要がありますか?
福島: 「将来フリーランスとして独立する足掛かりとして副業から始めたいのですが、独立後を見越した内容で開業届や青色申告を行う必要がありますか」というご質問ですね。
まずは現時点で始める事業の内容に合わせて作成・提出していただければ十分です。開業届を出すことで屋号を決めたり、事業用口座を開設したりと、事業をスピーディーに進める準備が整います。将来的に変更が必要になれば、そのタイミングで対応していただければ大丈夫です。
金子: 個人事業から法人に切り替える際は一から手続きが必要になりますが、個人事業主を持ち続けることにデメリットはありません。私自身、一人で受ける案件は個人事業主として、仲間と受ける案件は法人を使うという形で使い分けていました。まずは個人事業主として始めておき、独立・起業を決めたタイミングで法人を追加するという方法で全く問題ありません。
福島: 個人から法人への切り替えが発生する場合は、取引先への口座変更の連絡や請求・契約内容の変更など、一定の手続きは出てきます。会計上の資産をどうするかによっても変わってくるので、そのあたりで多少の手間はどうしても生じます。
インボイス登録はした方がいいですか?
福島: インボイス登録については、取り組む事業内容によって異なるため、この場で一概にお答えするのが難しい質問です。業種によってはインボイス登録が不要なケースもありますので、何のビジネスをやるかによって判断していただくことになります。
金子: インボイスについては、取引先の企業から「登録していますか?」と聞かれたタイミングで対応を検討するのが現実的だと思います。企業の経理・労務担当がほぼ必ず状況を把握していますので、「どうすればいいですか?」と率直に聞いてしまうのが一番です。言われたからといって必ずしも対応しなければならないわけではなく、対等な契約関係の中でご自身で判断することになります。
キャリア編:副業で拓くキャリアの可能性
YOUTRUSTが提唱する「キャリアビルディング3類型」
金子: 副業とキャリアの接続についてお話しします。YOUTRUSTが提唱する「キャリアビルディング3類型」という考え方があります。どのようなキャリアの伸ばし方においても、副業は有効な手段になります。
「縦型」は、本業でどんどん上を目指すスタイルです。主任・係長・課長・部長・執行役員と昇進していくイメージです。営業でキャリアを積んでいく中で、副業でマーケティングの視点を得るといった形で、学びを得ながら昇進・昇格を目指しやすくなります。
「斜め型」は、転職や副業を通じて活躍領域を広げていくスタイルです。ここはシンプルに、副業が直接的なキャリア転換のきっかけになります。
「横型」は、趣味や興味を起点に仕事の領域を広げていくスタイルです。たとえばサウナが好きで友人と店舗を立ち上げたり、D2Cブランドを作ったりといったケースがこれにあたります。本業の傍らでパラレルに副業を持つイメージです。一社にずっといるだけでなく、もっといろいろやれることがあるよ、ということをお伝えしたいと思っています。
福島氏のキャリアと副業
福島: 自分自身を振り返ると、まずLINEで事業開発を担当していた時期に「自分でも事業を考えてみたい」という思いから個人事業主として副業をスタートしました。これが縦型です。自分で事業を経験することでスキルを積むことを意識していました。
マーケティング支援の案件をいくつかやっていく中で、横型の動きもありました。実は利き酒師の資格を持っているほど日本酒が好きで、地方の酒造のマーケティング支援をしたり、日本酒のコミュニティを立ち上げたりと、完全に趣味の延長線上でも活動していました。正直、お金はほぼいらないくらい、おいしい日本酒をいただければ十分、という感覚で取り組んでいました。
その後、副業という形でfreeeに参画しました。会社のカルチャーや事業の可能性を内側から感じたことで正式入社を決め、今は事業責任者として働いています。副業から始めたことで、中に入って初めてわかる部分を確認できたことが大きかったと思っています。
金子氏のキャリアと副業
金子: 私の副業の始まりは、友人に誘われてD2Cブランドの立ち上げを手伝ったことです。お酒や服のブランドで、好きなものだったので楽しいという感覚で関わっていました。楽しいことをしながら少し収入も得られるというのが最初の経験です。横型の動きですね。
その中で「マーケティングができる人を紹介してほしい」という話が広がり、本業で専門としていたマーケティングの仕事も依頼されるようになりました。広告とは少し違うマーケティングの領域で腕試しができて、「外でも生きていけるかもしれない」という感覚が芽生えてきました。縦型の動きになっていきました。
そういった経験を積む中で、当時10名規模だったYOUTRUSTに副業として入り、良い会社だと感じてそのままチャレンジの道に踏み出しました。
副業を通じて得たものとして、まず新たなネットワークがあります。アパレルのMDや酒造の職人など、普通に生きていたら出会えないような人々と出会い、仕事って面白いなという実感を持てました。
次に、金銭的不安からの脱却です。会社から定額でもらい続けることだけでなく、自分の力で収入を得られるという経験が、経済的な不安を和らげてくれました。
そして、キャリア選択の自由です。会社に依存しなくてもキャリアは作れるという自信が生まれ、挑戦する勇気が湧いてきました。10年間ずっとその会社にいるものだと思っていましたが、ビジネスパーソンとしての自信がついたことで、新たなチャレンジへと踏み出せたと思っています。
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