展示会の費用対効果(ROI)とは?計算方法と高める方法を解説
2026.6.19(金)
展示会に出展する際、投下した予算に対してどれだけの成果が得られたのかを正確に把握することは非常に重要です。
本記事では、展示会出展時の費用対効果(ROI)の計算方法や、成果を最大化するためのポイントを詳しく解説します。
展示会の費用対効果(ROI)とは?成果を出すための基本を解説
展示会におけるROIとは、投資した費用に対してどれくらいの利益や効果が得られたかを表す指標です。
そもそもROIとは、英語の「Return On Investment」の略称であり、日本語では投資収益率や費用対効果と呼ばれます。
展示会の出展には、多額のコストと人的リソースがかかるため、単にブースに人が集まったかどうかではなく、事業の成長にどれだけ貢献したかを数値で可視化することが求められます。
ROIを算出することで、出展した展示会が自社にとって適切な投資だったのかを客観的に評価できるだけでなく、次回以降の予算配分や施策の改善にも役立てることが可能です。
ROIの計算方法と重要指標とは
展示会は一度の出展で終わるものではなく、継続的な改善が求められるマーケティング施策です
したがって、各指標の数値を正確に記録し、過去の実績と比較しながら分析を行うことが重要になります。
ここでは、ROIを算出するための基本的な計算式と、それに必要な要素について解説します。
ROIの計算式:「(利益÷投資額)×100」
展示会のROIは、「(利益÷投資額)×100」という計算式で求められ、この式によって算出されたパーセンテージが高いほど、費用対効果が良い投資であったと判断できます。
たとえば、展示会に100万円を投資し、そこから300万円の利益が得られた場合、ROIは300%となります。
また、この数値を基準にすることで、他のマーケティング施策と効果を比較することも容易です。
ただし、toB領域に事業体では特に展示会直後にすべての利益が確定するわけではないため、短期的な成果だけでなく、中長期的な視点を持って定期的にROIを再計算することが重要です。
投資額に含まれる費用の内訳
ROIを正確に計算するためには、展示会にかかったすべての費用を漏れなく把握する必要があります。
具体的には、下記のような費用が挙げられます。
- 主催者に支払う出展料や小間料
- ブースの施工や装飾にかかる費用
- 電気やインターネットなどの設備工事費
- 当日の運営に携わるスタッフの人件費や交通費、宿泊費
- 集客に使うWebサイトの制作費や当日配布するチラシ、ノベルティなどの販促物制作費
これらの費用を詳細に記録し、総投資額を正確に算出することがROI分析の第一歩です。
利益の測り方:目的別のKPI設定が重要
展示会における「利益」をどう定義するかは、出展の目的によって大きく異なります。
展示会で獲得したつながりが、すぐに直接的な売上につながるとは限らないため、最終的な目標であるKGIから逆算し、中間目標となるKPIを設定することが重要です。
ここでのKPI設定を誤らずに遂行できた場合、展示会の真の効果を測定できるようになります。
たとえば、認知拡大が目的なのか、具体的な商談の獲得が目的なのかで、追うべき指標は変わります。
そのため、自社の課題に合わせたKPIを明確にし、それに基づいて利益を換算していくことが求められます。
【目的別】展示会におけるKPI設定の具体例
展示会の目的が異なれば、設定すべきKPIも当然変わってきます。
ここでは、代表的な出展目的である「営業リードの獲得」と、採用を目的とする場合の2つのケースを取り上げます。
出展目的に応じてどのような指標をKPIとして設定すべきか、具体的な例を見ていきましょう。
採用候補者の獲得が目的の場合
採用を目的として展示会やカンファレンスに出展する場合、最終的な目標は優秀な人材の採用です。
この場合のKPIとしては、まず自社に興味を持ってくれた人の数である「母集団形成数」や「エントリー数」、「応募数」を置くべきでしょう。
また、実際に選考プロセスに進んだ「面接実施数」や最終的な「内定数」も追跡すべき数値ですが、あくまでカンファレンスでの接着点は母集団形成になるケースがほとんどです。
また、定量的なデータだけでなく、来場者の学年や志望領域といった属性情報も収集すると良いでしょう。
これらの指標を分析することで、ターゲット層に自社の魅力が正しく伝わっているかを評価できます。
営業リードの獲得が目的の場合
営業リードの獲得を目的とする場合、売上や受注額が最終的なKGIとなります。
そのためのKPIとしては、まず展示会で交換した「名刺獲得数」や「リード数」を設定します。
しかし、単なる数だけでなく、ターゲットに合致した有効名刺数・リード数であるかが非常に重要なため、事後フォローを通じて獲得できた「商談数」や「アポイント数」もKPIに含めると良いでしょう。
最終的には、展示会経由で発生した「受注額」を算出し、ROIの計算に活用します。
この時、各フェーズの転換率を可視化することで、営業プロセスのどこに課題があるのかを特定しやすくなります。
展示会出展のROIを最大化する3つのポイント
展示会の費用対効果を高めるためには、当日だけでなく前後の活動も非常に重要です。
ここでは、展示会を「事前準備」「当日運営」「事後フォロー」の3つのフェーズに分け、それぞれの段階でどのようなアクションを取るべきか、具体的なポイントを解説します。
【事前準備】目的とターゲットを明確にし、KPIを設定する
展示会の成功は、事前準備の段階でほぼ決まると言っても過言ではありません。
まずは出展の目的を明確にし、どのようなターゲットに来場してほしいのかを具体的に定義します。
この時、目標達成に向けたKPIを設定し、スタッフ全員で共有することが重要です。
また、当日の集客を待つだけでなく、事前の告知活動も積極的に行いましょう。
具体的には、過去に名刺交換をした顧客へのメール案内や、SNSを活用した情報発信をターゲットに合わせて送付することが効果的です。
【当日運営】来場者の確度を見極め、効率的に情報を収集する
展示会当日は、限られた時間の中でいかに質の高い情報を集めるかが鍵となります。
そのためには、受付やサービス説明、商談担当などスタッフの役割分担を明確にしておくことが大切です。
来場者と会話する際は、事前に用意したヒアリングシートを活用し、相手の課題や導入時期などを聞き出し、リードの確度や温度感を見極めることが重要です。
また、名刺管理ツールやQRコード読み取りなどを導入し、情報をデータ化する仕組みも整えておくことも効果的です。
これにより、展示会後のスムーズなフォローアップが可能になり、商談化率の向上につながります。
【事後フォロー】獲得したリードをスピーディーに次へつなげる
展示会で獲得したリードは、時間が経つほど興味や関心が薄れてしまいます。
そのため、展示会終了後48時間以内、遅くとも翌営業日にはお礼のメールを送付することが鉄則です。
また、当日のヒアリング内容をもとに、リードを見込み度に応じてランク分けすることも重要です。
確度の高いホットリードには、営業担当者がすぐに電話をかけて個別のアポイントを打診し、情報収集段階のリードには、定期的なメール配信などで中長期的な関係を構築するのが良いでしょう。
このように、リードの質に応じたスピーディーかつ適切な事後フォローの体制を整えることが、ROIを最大化する最大のポイントです。
展示会のROIを下げてしまう2つの注意点
展示会に出展しても、やり方を間違えると費用対効果が大きく下がってしまうことがあります。
ここでは、多くの企業が陥りがちな2つの失敗例と注意点について解説します。
これらの落とし穴を事前に把握し、対策を講じておくことが展示会成功の鍵となりますので参考にしてください。
「名刺の枚数」だけを追いかけてしまう
展示会で最もよくある失敗が、名刺の獲得枚数だけを目標にしてしまうことです。
ノベルティを配って無理に名刺を集めても、自社のターゲット層でなければ意味がありません。
質の低いリードばかりが増えると、その後の営業リソースを無駄に消費することになり、商談や受注に結びつかず、展示会全体のROIを大きく下げる原因となります。
そのため、名刺の数だけでなく、ターゲットに合致した有効なリードをどれだけ獲得できたかを重視しましょう。
事後フォローの体制が整っていない
どれだけ質の高いリードを獲得できても、事後フォローが遅れれば成果にはつながりません。
展示会直後は来場者の熱量が高い状態ですが、数日放置するだけでその熱は冷めてしまいます。
したがって、フォローの体制が整っていないと、競合他社に案件を奪われてしまうリスクも高まります。
そのため「誰が」「いつ」「どのような方法」でリードにアプローチするのか、事前にルールを決めておくことが重要です。
マーケティング部門と営業部門が連携し、スムーズに顧客を引き継げる仕組みを構築しておきましょう。
出展目的に応じてKPIを正しく定め、展示会を成功させよう
展示会のROIを高めるためには、明確な目的設定とKPIの設計、そして迅速な事後フォローが不可欠です。
出展すると、どうしても名刺の交換数に引っ張られてしまいますが、名刺の数にとらわれず質の高いリードを獲得し、適切なアプローチを行うことを意識しましょう。
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